抄録
典型的都市河川である東京都呑川において,カモ類の摂餌場所選択性と河川環境の関係を調べるために,2008年12月から2010年4月の期間中に計32回のライントランセクト調査を行い,2010年2月に11箇所で行った底生生物および草本の種子の採集結果や,流水環境の調査結果と比較した.草本の種子は瀬からトロへの移行部で最も高密度で採集され,ユスリカの幼虫はトロから瀬への移行部で最も高密度で採集された.カモ類の優占種は,カルガモ・コガモ・オナガガモの3種であり,いずれも主に浅瀬で摂餌をしていたが,前2者はトロから瀬への移行部,後者は瀬からトロへの移行部で特に密度が高く,両グループは餌料選択性に差があることが推測された.以上のことから,河川工法の違いに由来する瀬やトロなどの微環境の多様性がカモ類の種組成や飛来密度に影響する可能性が示された.