景観生態学
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原著論文
地域生態系の協働管理・活用に関わる活動を促進するためのパターン・ランゲージ―広島県北広島町での協働の読解―
鎌田 安里紗鎌田 磨人井庭 崇
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2023 年 28 巻 1-2 号 p. 49-67

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抄録

生物多様性の損失を引き起こしている原因の一つが,里地里山での過少利用である.生活様式や産業構造の変化に伴って利用価値を失った自然資源に,再び利用の価値や保全の意義を置き直すことは容易でなく,多くの地域が課題を抱えている.そのような中,広島県北広島町では,停止していた山焼きを再開する,山林から切り出した材を地域通貨や学校教育とも連動させて活用する等,複数の生態系管理・活用の活動が地域住民との協働で推進されている.本稿では,当地域において中心的に取り組みを進めてきた調整役の行動に着目し,パターン・ランゲージの手法を用いて経験則を体系的に把握し,提示することを試みた.結果として,22のパターンが見出され,それらを順応的ガバナンスの考え方と対応づけることで,地域生態系の管理を進めるための技術としての活用可能性を検討した.

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© 2023 日本景観生態学会
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