景観生態学
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モウソウチク桿の除去後に再生した植生の構造と種組成の変化
鈴木 重雄菊池 亜希良中越 信和
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2008 年 12 巻 2 号 p. 43-51

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抄録

現在, 各地で放棄モウソウチク林対策としておこなわれている地上部の除去後の植生変化とモウソウチクの回復過程を明らかにするために, 島根県大田市三瓶町の竹林で実験的な調査をおこなった.各時期, 各プロットの植物種組成をDCAにより座標平面に展開したところ, 第1軸の値は大きいものから, 二次林, モウソウチク林, 伐採跡地の環境を示し, 稈の除去をおこなったプロットではモウソウチク林的種組成から伐採跡地的種組成へと変化がみられた.また, 直接伐採はしていないものの, 周囲の伐採によって, 林床の光条件が改善したプロットでも第1軸の値が小さくなり出現種数の増加がみられた.伐採をおこなったプロットでは, 新しい稈の本数の増加と綾小化が起こったものの, 伐採2年後には, 本数の減少と稈が大きくなることが認められた.これらより, 一度伐採した竹林においてもその後の管理をおこなわなかった場合には, 再度竹林となる可能性が高いとみられることから, 継続的な刈り取りが必要であった.また, 林床の光条件が多少改善されただけでも, 出現種数の増加がみられたことから, モウソウチクの稈密度を管理した上で, 下層の木本種を育成した後に伐採をおこなう手法も, 広葉樹林のスムーズな復元を図るためには有用であると考えられる

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