保健医療学雑誌
Online ISSN : 2185-0399
ISSN-L : 2185-0399
10周年記念特別号
保健医療学学会10 周年によせて
森 禎章
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2020 年 10 巻 3 号 p. 116-

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抄録

歴代の会長,中山広宣先生ならびに渡辺正仁先生の後を継ぎ,保健医療学学会の会長を努めさせていただいております森 禎章でございます.本学会は2010 年(平成22 年)に関西のリハビリテーションに関わる大学が手を取り合うことで設立された学会であります.本学会の目的は第一に狭義のリハビリテーションにとどまらず,人の生活(保健,医療,福祉,教育,工学など)に関係する多くの専門領域の研究者や実践者に研究交流の場を提供すること,第二にその成果をもって社会に貢献すること,第三に大学をはじめとする専門職養成施設卒業後,大学院修了後の研究継続を支援することであり,その社会的意義はとても大きなものがあると思います. 保健医療分野の研究は,医科学を中心とした自然科学的な知見を基にするだけではなく,工学,人文科学,行動科学などの知見を加え,総合的・学際的な学問分野としてさらに発展していかなければなりません.そのためには,様々な分野・領域の専門家が,人の生活と健康を共通の目的として集まり,分野・領域の垣根を越え交流する場が必要となります.その役目を果たすのが保健医療学学会であると考えております.本学会にご参加くださる皆様には,本学会において他の分野・領域の研究から新しい知見を得ていただき,ご自身の研究を充実・発展させていただければ幸いです.私としましては、本学会が活用され,様々な分野・領域の研究者の相互交流によって新たな研究が生まれ,保健医療分野の発展に繋がればこの上ない喜びです. 学会は設立以来10 年を迎えました.会員数は3 桁を超えたばかりで,まだまだ小さな学会 ではありますが,年を追う毎に学術集会は盛会となり,数多くの若手研究者および学生諸氏に発表の場として活用していただいております.これに加え,本学会の発刊する保健医療学雑誌も年々投稿数が増加し,その学術レベルも次第に向上してきております.これらにおきましても,学術集会長,学会理事,雑誌編集部,そして会員の皆様方の不断の努力の賜であると思っております. 今後,さらなる学会の発展のためには,会員数の増加,学会誌への投稿の増加を目指さなくてはなりません.第一に各養成施設の卒業生に学会員になっていただくことが肝要かと思います.そのためにも学術集会において学生発表の場を増やし,修士および博士課程に在籍する大学院生にも討議の場として活用していただき,将来の会員獲得に向けての魅力を発信しなくてはなりません.保健医療学雑誌をご覧の会員の皆様方におかれましても,会員数の増加に向けてご協力賜れますと幸いです.保健医療学雑誌は医学中央雑誌やJ-Stage へ掲載されるのはもちろんのこと,メディカルオンラインを介した二次利用が増加するなど,着実な発展を遂げております.保健医療学雑誌のさらなる発展を目指し,会員の皆様方にはぜひ論文投稿をお願い致します. 最後になりましたが,諸先輩方のお力添えのもと保健医療学学会が設立10 周年を迎えられましたことを厚く御礼申し上げます.私も微力ながら本学会の発展に尽力して参る所存であります.今後ともご支援を賜りますようお願い申し上げます.

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