2006 年 32 巻 1 号 p. 195-198
平成2年に噴火した雲仙普賢岳の水無川本流において共生微生物資材を適用した乾式航空緑化を施工した。10年後,施工区および非施工区において土壌の化学性や微生物バイオマス,菌根菌の感染率,胞子数を調べ,菌根菌が土壌へ及ぼす影響について評価した。その結果,施工区では施用したと考えられる菌根菌や他の複数種の菌根菌が確認されたが,一方の非施工区においては菌根菌の感染率が低く,土壌の養分量や微生物バイオマス量は少なかった。当初導入した菌根菌が土壌の肥沃化に影響を及ぼしていたと推測された。