2020 年 11 巻 2 号 p. 128-135
本研究では,作業の領域の視点から買い物を捉え,通所リハビリテーション利用者の買い物と健康関連QOL との関連性を明らかにすることを目的とした.通所リハビリテーション利用者56 名に対して,買い物を作業の領域で捉えた自記式アンケート調査および健康関連QOL を測定する SF-8 を実施した.結果,買い物に行く者は30 名であった.買い物に行く 者は,日常生活機能(身体・精神),全体的健康感,活力,社会生活役割で有意に高い値を示した.義務的に買い物に行くと捉えた者は6 名で,余暇的に行く者に比べ,社会生活機能が有意に高かった(p<0.01: effect size=0.67).義務的な買い物は,他者や社会とのつながりを保障する健康 関連QOL を高く保つ可能性がある.