2016 年 7 巻 2 号 p. 54-60
本研究の目的は,マーチング演奏が体幹運動と体幹・下肢の筋活動に及ぼす影響について検討することである.10 名の女子大学生を対象とし,トランペットならびにマーチングユーフォニアムを用いたマーチング演奏時の体幹運動と体幹・下肢の筋活動を測定した.トランペットならびにマーチングユーフォニアムを用いたマーチング演奏では,いずれも自然歩行に比べて上部体幹の最大後傾角の増大と,上部体幹の最大前傾角,左右傾斜可動範囲,左右回旋可動範囲の減少が認められた.また,僧帽筋,腰部傍脊柱筋,大腿直筋,大腿二頭筋,腓腹筋の筋活動の増大が認められた.これらの楽器を用いたマーチング演奏では,体幹・下肢の力学的負荷が増大することが示唆された.