2017 年 8 巻 2 号 p. 117-122
アクチンフィラメントとミオシンフィラメントは筋節内で収縮単位として働いている.筋収縮はアクチンフィラメントがミオシンフィラメントに対して滑走するいわゆる,フィラメント滑走-クロスブリッジ説に従って起こる.求心性収縮や等尺性収縮はこの原理で説明できる.しかしながら,遠心性収縮では筋の伸張に対する抵抗力が生じるが,これはフィラメント滑走-クロスブリッジ説で説明できない.ここではコネクチン/タイチンという第3 のフィラメントが遠心性収縮に関与していることについて述べる.