2017 年 8 巻 2 号 p. 110-116
人口の高齢化に伴い,心臓リハビリテーション対象者も高齢化しており,転倒リスクを評価することの重要性が高まっている.そこで,本研究は,転倒リスクをスクリーニングするための項目を検討することとした.60 歳以上の入院高齢心不全患者33 例をBerg balance scale を使用して,転倒リスクの有無で2 群に分け,患者背景,重症度,身体機能を比較した.その後,ロジスティック回帰分析を行い,転倒リスクの有無に関連のある項目を抽出し,ROC 曲線を用いてカットオフ値を算出した.転倒リスクに独立して関連する因子は6 分間歩行距離のみであり,カットオフ値は328m であった.6 分間歩行距離が328m 未満では転倒リスクが高い可能性があることが示唆された.