沙漠研究
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小特集:沙漠誌分科会講演会(小特集原著論文)
インド北西部における家畜糞利用の現状と課題
遠藤 仁
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2015 年 25 巻 2 号 p. 53-58

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抄録

半乾燥地に属するインド北西部では,家畜の糞や尿等の排泄物が資源として有効に活用されている.本稿では,ハリヤーナー州,ラージャスターン州,グジャラート州のコブウシやスイギュウの糞の利用法について,床の強化材や,燃料としての利用事例を報告する.特に燃料への利用としては,牛糞を円盤状に成形して乾燥させた保存用の燃料である牛糞ケーキ(cow dung cake)の製作,保存方法について詳細に報告する.そして,その燃焼時間の計測結果及び,燃焼実験の結果について報告し,分析した.牛糞の燃料としての利用は,半乾燥地で薪炭材として圧迫されている森林資源へのストレスを軽減させる有効なものである一方,薪よりも牛糞の燃焼が有害物質を多く輩出する等の問題点があることにも言及し,半乾燥地での家畜糞利用の持続可能性について考察した.

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© 2015 日本沙漠学会
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