2013 年 3 巻 1 号 p. 117-131
この論⽂は、リスニングクラスを履修している日本人大学生が書いた英⽂のリスニングジャー ナルを検証することで、多聴の際、学生が何を考え、何をしているのかを明らかにすることを目的としたものである。対象者は、英語習熟度が中上級の36 名の大学1 年生の男⼥である。リスニングジャーナルの中でも、内容の理解度に関する記述を抽出し、内容を難しく感じた原因と内容理解を促進するための工夫等をつまびらかにすることを目指した。分析には、筆者による内容の分類・ラベリングと、コーパス分析ソフトウェアKH-Coder(樋口2012)の2 種類の手法を用いた。分析の結果、学生はリスニングの理解度に影響を与える要因は、主に語彙知識、話の速度、背景知識であると⾃⼰分析していることが明らかになった。また、リスニングの理解度を上げるために、学生は同じ素材を何度も聞き、字幕を用い、ある程度背景知識のある素材を選ぶといった工夫をしていることも⾒て取れた。また、コーパス分析の手法を用いて学生のリスニングジャーナルを分析することの有効性が一定程度確認された。