2014 年 4 巻 1 号 p. 221-241
本論⽂は、「ウェブスキルを習得しながらのプロジェクトベース英語プレゼンテーションクラス」履修後の学⽣アンケート結果からICT 使用の英語授業デザインについて考察したものである。履修学⽣は英語習熟度が中上級の男⼥⼤学1 年⽣38 人で、授業はコンピュータ教室を使用、プレゼンテーションを録画・録音したポートフォリオ作成が目的であった。トピックは別に開講されている英語ライティングクラスで学⽣が個々に選んだ社会的な問題を扱い、ポートフォリオには参考とした英語の読み物や、自分の⼩論⽂、関連するYouTube ビデオなども掲載するプロジェクトである。英語でコンピュータとウェブスキルを学ぶ授業は画期的と思われたが、学⽣からの反応は他の英語スキル授業に対する満⾜度とほぼ同程度かやや下回っていた。また、指導したウェブ上のツールに学⽣の継続使用が余りないものがあり、教員側の意図と学⽣側の反応も違いが⾒られた。ウェブスキルを兼ね備えたEFL 教員が少ないことや、学⽣と指導者、学⽣同⼠のコミュニケーション不⾜も解決が必要と思われた。ICT 使用でも授業デザインはEFL と学⽣を中⼼にすることが、より良い学びにつながることが考察された。