2016 年 6 巻 1 号 p. 27-44
英語能⼒の向上のため、小学校英語が小学校第5・6学年を対象2011 年から導⼊されている。さらに、2020 年度からは第3・4学年における英語の必修化が決まった。小学校中学年の目標として「絵本で扱われている語句や表現に慣れ親しむとともに、外国語を使ったコミュニケーションを体験する」ことが掲げられ、補助教材に絵本が導⼊されることになった。このように小学校英語教育における絵本の活用が求められている。英語で書かれた絵本は、日本では接することの少ない⽂化や社会、生活習慣などが含まれ、生徒が能動的に使用できる英語を習得するため非常に有効な教材であると考えられる。しかし、英語絵本の活用については、その方法や教材研究の枠組みは未だ開発途上にあり、試⾏錯誤が重ねられている。本研究では小学校英語の教授・学習における絵本の有用性に焦点化し、教師の教材研究に活用できる枠組みや視点についての提案を⾏う。