メディア・英語・コミュニケーション
Online ISSN : 2436-8016
Print ISSN : 2186-1420
6 巻, 1 号
メディア・英語・コミュニケーション
選択された号の論文の5件中1~5を表示しています
目次
大会基調講演
研究論文
  • 大橋 由紀子
    原稿種別: research-article
    2016 年 6 巻 1 号 p. 5-25
    発行日: 2016/08/31
    公開日: 2023/10/25
    ジャーナル オープンアクセス

    本論⽂は高校での英語授業コーパスの構築を⾏い、コーパスから⾒られる高校での⾔語使⽤と理解(アップテイク)の関係を調査したものである。使⽤したデータは、高校英語授業11クラスを録音し、書き起こしをしたデータを基に構築した授業コーパス、および各クラスの学習者によって記述されたアップテイク調査アンケートである。構築したコーパスより、活動が同様で使⽤⾔語のみ異なるクラスを抽出し、クラスカルウォリステスト、マンウィットニーUテストによってアップテイクの量と質を⽐較した。調査より、学習者のアップテイクの量と質は、学年にかかわらず、教師が主に使⽤する⾔語によって異なるという結果が⽰された。更に、質的な考察では、高校での⽂法アップテイクに関しては、教師の主な使⽤⾔語はL1であり、明⽰的な説明ではL1が中心的に使⽤されていても、その中で教師による、より多くの L2使⽤があることと、学習者にL2を発話させることが更なるアップテイクを引き出しているということが⽰唆された。本論⽂では、高等学校での学習者の理解と⾔語使⽤の関係について量的、および質的に考察し、授業コーパス構築の意義と、その利⽤法について紹介する。

  • 水澤 裕美子, 奥泉 香
    原稿種別: 研究論文
    2016 年 6 巻 1 号 p. 27-44
    発行日: 2016/08/31
    公開日: 2023/10/25
    ジャーナル オープンアクセス

    英語能⼒の向上のため、小学校英語が小学校第5・6学年を対象2011 年から導⼊されている。さらに、2020 年度からは第3・4学年における英語の必修化が決まった。小学校中学年の目標として「絵本で扱われている語句や表現に慣れ親しむとともに、外国語を使ったコミュニケーションを体験する」ことが掲げられ、補助教材に絵本が導⼊されることになった。このように小学校英語教育における絵本の活用が求められている。英語で書かれた絵本は、日本では接することの少ない⽂化や社会、生活習慣などが含まれ、生徒が能動的に使用できる英語を習得するため非常に有効な教材であると考えられる。しかし、英語絵本の活用については、その方法や教材研究の枠組みは未だ開発途上にあり、試⾏錯誤が重ねられている。本研究では小学校英語の教授・学習における絵本の有用性に焦点化し、教師の教材研究に活用できる枠組みや視点についての提案を⾏う。

研究ノート
  • 関根 紳太郎
    原稿種別: 研究ノート
    2016 年 6 巻 1 号 p. 45-65
    発行日: 2016/08/31
    公開日: 2023/10/25
    ジャーナル オープンアクセス

    本論では、東⽇本⼤震災から2年後以降の英文活字メディ ア記事を分析対象に、東⽇本⼤震災を取り巻く現実世界とメディア上に言語的に再現[表象]される<世界>の解明を試みた。まず、量的評価としてのコーパス分析により特徴語を抽出した。次に、特徴語と共起する語を内包する英文⽤例に対して、質的評価の観点からディスコース分析を⾏った。特に、articulation(分節と節合)の概念を援⽤しながら、現実世界が近似的に再現された言語的表象としての<世界>を映し出す分析対象記事を考察することで、切り出され[分節され]、紡がれた[節合された] <世界>を注視した。そして、そうした分節と節合、すなわちarticulationを媒介とする意味の産出[⽣成]と消費[解釈]の過程を⾒た。さらに、前景化と背景化、上位事象と下位事象を整理し、知覚・認知上のズレや歪みを顕在化させながら、 <世界>を⽴体的に捉えることも試みた。そうする中で、現実世界の言語的表象としての<世界>と、(本論で言う)認知的意味世界との関係性を窺うことができた。

feedback
Top