2019 年 9 巻 1 号 p. 35-55
本研究では、日本の英会話教室における英会話促進に関するディスコースを検証するため、大手英会話教室の AEON、 ECC、 NOVAのテレビ CM3本を分析する。本研究が適用する理論の枠組みは、主にマルチモダル批判的談話分析(Multimodal Critical Discourse Analysis, MCDA) (Machin & Mayr, 2012)である。テレビ CMで使われた言語及び視覚イメージをそれぞれ分析しながら、一見自然で中立的なイデオロギーと権力の関係を明らかにする。結果として、英語が話せることでその他の体験や感情をも手に入れることが可能だというイデオロギー的な考えが明らかとなった。また、英語が話せる日本人と話せない日本人二つの区別された表象が作り上げられ、序列化されている。そこでは英語が話せる日本人は僅位な立場に位置付けられ、権力が付与されている。