2000 年 20 巻 3 号 p. 209-214
阪神淡路大震災以降,多くの医療機関や自治体で災害対応マニュアルの作成,整備が進んでいる.これらの対応マニュアルはほとんどが紙ベースのものであり,多職種の職員が働いている病院においてはその記述内容も多岐にわたり,実際の災害時には必要情報の検索が非常に困難であると考えられる.本研究では災害時にリアルタイムで行動指針を表示する災害対策電子マニュアルの基本的な設計概念と実装について報告する.我々は神戸大学附属病院の災害対策マニュアルから病院職員の職能と災害時の病院機能,そして時間経過という因子をもとに職員の行動指針ルールを抽出し,このルールをサーバ上でデータベース化し,コンピュータネットワークで結ばれた院内の各部署の端末に必要情報を表示するナビゲーションシステムを開発した.本システムのインタフェースは,各ユーザが自然に対策を進めていくことができるよう設計されており,災害時に有用であると考えられる.