医療情報学
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研究速報
癌の告知状況の処方箋への印字
杉山 正梅本 敬夫紀ノ定 保臣片桐 義博
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2000 年 20 巻 3 号 p. 215-219

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抄録

 処方オーダリングシステムの新たな機能として,癌の告知状況を処方箋に印字するシステムを構築した.このシステムでは,医師が抗癌剤を処方すると告知状況を入力するウインドが処方画面に展開する.医師が告知状況を入力すると,その情報が識別記号に変換されて処方箋に印字される.このシステムによって,薬剤師は処方箋から癌告知の有無が確認できる.

 平成11年6月~10月に発行された処方箋を基に癌告知率を調査した.本院の告知率は約78%であった.癌告知率は診療科間,年齢層間で大きく異なっていた.

 今回の結果から,癌告知は一般的に行われているものの,未告知の患者も多くいることが判った.したがって,薬剤師が患者に対して抗癌剤に関する情報を提供する場合は,癌告知の有無を確認することが必要になる.今回の支援システムによって,病院薬剤部あるいは調剤薬局の薬剤師は抗癌剤に関して癌の告知状況に応じた情報提供が可能になった.

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© 2000 一般社団法人 日本医療情報学会
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