2000 年 20 巻 5 号 p. 397-403
イントラネットホームページを利用して,検査結果とその関連事項の情報提供を行い,検査情報の有効活用を試みた.提供した情報は2種類あり,ひとつは検査のオーダリング方法や測定方法,基準値および精度管理状況などの検査システムを利用するための基本的情報で,もうひとつは,院内感染対策用の情報と,それに関連した病院情報システム内データベースから抽出した患者情報である.精度管理情報の提供により,医師の検査への関心が高まり,検査部と診療部門との連携が密となった.また,各病棟および材料別に検出された細菌の種類と薬剤感性成績ごとに,院内感染情報を表示できるようにしたところ,細菌感染に対するきめこまかな予防措置が可能になった.これらの結果から,検査結果を有効に活用できる情報を検査結果と併せて提供することにより,診療の高度化や効率化に病院検査室が積極的に関与することが可能になると思われた.