日本における家族性遺伝性疾患解析のための情報・検体の集積分配ネットワーク構築を行うための情報システムを設計・開発し,WWW (World Wide Web)ベースで操作の容易なデータベースを実現した.登録されたメンバーは,このシステムにより全国レベルでの患者・検体情報の蓄積と検索を可能にした.ただし,個々の病的胎児および家族に関するプライバシーおよびDNA解析情報を扱うため,その設計と運用は文部科学省・厚生労働省・経済産業省の三省連名の「ヒトゲノム・遺伝子解析研究に関する倫理指針」等に原則的に従うとともに,そのアクセスにはセキュリティに十分考慮した.ネットワークはISDN回線を使用し,サーバ側ではルータおよびデータベースでの2重のセキュリティチェックを行い,アクセスログの記録を残すことで不正アクセスの追跡を可能とした.平成13年6月30日現在,164名の患者と626検体がデータベースに登録されている.