電子カルテシステムは,日常診療において診療工程の記録,診療に投入された医薬品や医療材料等の資源管理と診療成果の分析,診療工程の最適化を行うために活用されるようになると思われる.扱う情報は従来のテキスト・数値・画像情報のみでなく,カラー画像を含む動画や心電図等の各種バイタル情報,患者モニター上のリアルタイム情報などに拡大され,患者毎に一元管理される形で Clinical Data Repository (CDR) に格納される.このような電子カルテシステムが稼働する環境は,単に日常臨床的に利用されるだけでなく,ポスト・ゲノム・創薬時代の新薬開発に係わる工程管理や患者毎の薬理遺伝学的な薬剤応答特性の解析時にも利用可能である.また長期間にわたり運用される大規模 CDR には,格納された患者情報を有効活用するためにデータマイニングや OLAP などの最先端情報分析技術が投入される.ここに,「電子カルテ時代の医療情報学」が新しく誕生すると思われる.