2004 年 24 巻 1 号 p. 125-131
茅ヶ崎医師会では地域医療連携を支援すること,医師の生涯教育を実施することを目的としてwebアプリケーションとして利用できる医師会ネットワークシステムの構築を行った.このシステムの評価を行うため,医師会会員を対象とした質問紙調査をシステム運用開始の前と利用開始半年後に実施し,集計結果をまとめた.よく利用されている機能は,全会員用掲示板と各委員会別掲示板である.キーボード入力を必要とする掲示板機能は,運用前の調査からは年齢が高い会員の利用に不安があったが,実際には年齢に関係なく利用されていた.日程表,医師会資料の参照,共診患者情報は運用開始前の予想より利用されていない.共同で診療を行う患者情報のネットワーク上での流通については現在の方式では安全性に不安があり,近々よりセキュアなシステムへの改良を予定している.今回の評価をもとに,医師と患者の双方に有益な地域医療情報システムを構築し,その活用を進めていきたい.