抄録
国立成育医療センターでは,電子カルテのデータを経営や研究に後利用することを目的として長期診療データベースを構築している.そこで,このデータベースを用いて,過去20カ月に蓄積された妊婦および新生児のデータ(1,880例)を抽出・分析し,妊娠中体重増加と新生児アウトカムの関係について疫学的なパイロット・スタディを試みた.その結果,低出生時体重は妊娠中の体重増加量と相関があること,77%の妊婦の体重増加量が米国のInstitute of Medicine(IOM)基準を満たしていないことが判明した.電子データを利用して疫学研究を行うことは,少ない労力と経費でより詳細な患者データが収集できるだけでなく,長期的なフォローアップも可能であるため,データ収集手段として有用である.将来的には,ネットワークを活用して施設間で患者診療情報を共有化し,データ収集方法を確立することで,大規模な疫学研究が期待できる.