医療情報学
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総説
医療情報処理への時制データベース適用上の技術的課題 -ATSQL2とその実装TimeDBを例として-
松谷 司郎小山 博史篠原 信夫
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2005 年 25 巻 2 号 p. 119-130

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抄録

 時制データベースと呼ばれる時間を特別な操作で扱うデータベースは,医療情報処理においても取り組むべき分野のひとつと考えるが,具体的な適用例は少ない.そこで,本研究ではATSQL 2とその実装であるTimeDBを使用し,医療情報処理へのリレーショナル型の時制データベースの技術面での適用課題について考察した.まず,ATSQL 2を例に時制データベースとその操作言語を説明した.次にTimeDBを使用し,臨床分野における具体的な時区間操作の例を示し,SQL-92とATSQL 2の表現能力を比較した.次に,(1)ATSQL 2の3種類のセマンティクス,(2)時制に付加される暗黙の属性,(3)ATSQL 2の実装であるTimeDBの問題点を述べた.ATSQL 2をSQL-92と混在した環境で使用する場合,セマンティクスの面と実装面で解決すべき課題があることを指摘した.

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© 2005 一般社団法人 日本医療情報学会
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