抄録
我々は,北海道において遠隔医療を優先的に整備すべき二次医療圏を明らかにするために,空間的相互作用モデル族の一つである発生量制約モデルを用いて二次医療圏間の受療行動モデルを構築し,地理情報システム(GIS)により受療行動の空間的分析を行った.データ分析には平成12年5月診療分国保患者受療動向調査結果を用い,対象患者数は入院79,458人,外来1,402,231人とした.受療行動のモデル化に際し,重回帰分析により病院数による規模依存係数βおよび患者の距離係数γの各パラメータを求めた.2パラメータの全道平均値を基準として4分類化した患者移動特性を交通網および地勢とともにGIS上に示した.その結果,モデルの自由度調整済み決定係数は入院0.754,外来0.819とともに高く,北海道における受療行動は病院数と二次医療圏間の距離で概ね説明できた.遠隔医療の必要性の高い医療圏は北海道東部の二次医療圏に多いことが明らかになった.