抄録
疫学調査の一環として実施される質問票調査を支援する情報システムの設計法について提案し,この設計法を用いて実装した情報システムについて報告する.特に質問票調査の初期段階では,調査項目の追加,修正,削除が発生することが多い.このような事象に対応する情報システムの構築は,今後の質問票調査の効率化にとって有意義である.これらの要件を満たすために,本報告ではW3C(World Wide Web Consortium)が標準化を進めているセマンティックWebのデータモデルであるRDF(Resource Description Framework)を用いた質問票データモデルとして質問票メタスキーマと質問票スキーマを提案する.これによりXML(eXtensible Markup Language)では困難であった,データの表現能力を保ちつつ仕様変更への耐性を備えたデータ構造を実現している.