医療情報学
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DPC導入の影響評価に係る調査データに関するセキュリティ考察
山上 浩志廣川 博之
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2010 年 30 巻 4 号 p. 241-250

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抄録
 2003年4月に始まったDPC(Diagnosis Procedure Combination)に基づく包括評価による入院医療費の定額支払い制度は,2010年7月1日時点で一般病院全体の18.0%に相当する1,391施設に適用されている.厚生労働省はこれら施設を対象にした「DPC導入の影響評価に係る調査」を通じて,DPC分類の精緻化,DPCごとの診療報酬点数の決定や病院係数の決定等を行うためのデータ収集を継続的に行っている.
 本稿では,この調査システムの運用前提になっている医療機関が行うべき提出データの連結可能匿名化について,ある都道府県内のDPC対象病院を対象に実施したアンケート調査に基づき,31.4%の施設が何ら匿名化せずにデータを提出している実態を報告する.更に,現行調査システムにおけるセキュリティ上の脆弱さと医療機関側で想定すべきリスクを指摘し,今後の調査システムのあり方について提言を述べる.
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© 2010 一般社団法人 日本医療情報学会
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