抄録
九州大学病院では,2003年より高速国際学術ネットワーク網を活用した遠隔医療連携を行っており,2011年3月末までに27カ国149施設と253回のイベントを実施した.遠隔医療の発展のためには,活動における機器や接続手順等の標準化が重要である.著者らは活動当初に使用していた最小機器構成に加えて,活動を通じて培った経験と知識を集約して,2007年に標準的機器構成を提案した.今回,さらにその構成に改良を加えた機器構成を提案し,それに基づくパッケージを実証したので,旧構成との間の比較検討を行った.その結果,本パッケージは2つの旧構成の問題点を解決し,さらに機器の英語表記や国によって異なる電源や放送方式といった問題にも対応できた.本パッケージはDVTSだけでなく,大きな会場でのWeb会議システム等によるカンファレンスにも活用でき,高品質な遠隔医療を安価に実現する機器セットの基本形であると考える.