医療情報学
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原著-研究速報
造影剤の製造販売後調査におけるEDCシステムを利用した画像データの収集
谷川 雅俊早川 晶子森 義弘千早 正光内田 安彦成瀬 英典岩下 美喜雄山口 文恵十川 正吾横井 英人原 量宏
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2010 年 30 巻 6 号 p. 313-320

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抄録
 著者らは,造影剤の製造販売後調査において,当該造影剤を投与された患者の各種情報とともにコンピュータ断層撮影画像(以下,CT画像)をDICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)規格で電子的データとして収集し,一元的に集約管理するEDC(Electronic Data Capture)システムを開発した.本システムにおいてCT画像は,調査担当医師の所属する医療機関から遠隔医療ネットワークシステムを経由し,香川大学医学部附属病院の医療情報部(画像事務局)の医師宛にCT画像を送付され,ここで患者の個人情報のマスキング状況を確認した後にEDCシステムのデータサーバにアップロードされるという流れで収集された.その後,製薬企業ではこれらのCT画像を造影剤の造影効果の中央判定評価に用いた.本EDCシステムは,遠隔医療ネットワークシステムと連携することによってCT画像データを患者の各種情報と同時に迅速かつ効率的にデータのセキュリティと真正性を確保した上で収集し,症例データとの一元的管理と有効性評価への効率的利用を実現するものであり,医薬品の有用性評価における画像情報の二次利用を目的とした収集方法のモデルケースになるものと考えられた.
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© 2010 一般社団法人 日本医療情報学会
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