抄録
地域中核病院(200床規模)における障害耐性を有する情報基盤について,地域医療の中核施設として建設された医科大学附属病院における構築事例を報告する.事前に事業継続計画に基づいて電源供給障害を防止するためのリスク評価を実施し,商用電源については異なった一次変電所からの独立2系統受電としたうえで非常用発電機を接続した.サーバやストレージのほとんどはUPSを介して発電回路接続とし,停電時のデータ破壊を防ぐために発電回路の給電停止時に安全に停止するように機器を設定して,停電試験によって院内情報システムが計画どおりに稼働・停止することを確認した.また,画像・波形情報等について,同じ大学の他施設にキャリアダイバシティを施したVPN回線3系統を介して遠隔保存することなど,機関内クラウドの利用によってサーバ・ストレージを減らし,最大消費電力量を計画当初の80 KVAから52 KVAに削減した.加えて,空調の合理化を目的としてサーバ室の空域分離と簡易外気冷却を試み,外気温の摂氏18度から零度前後への低下によって空調冷却機の電力消費が半減することを明らかにした.