抄録
(緒論):臨床試験の効率化のために,試験の開始前に医療機関に存在する被験者数を正確に見積もることが重要である.(目的):本研究の目的は,電子カルテに蓄積された診療情報を利用して,臨床試験の計画段階で目標症例数を達成できるかを判定する方法を開発することである.(方法):当センターが関わった合計19の臨床試験を対象とし,当センターで開発した電子カルテ検索システムで算定した候補患者数と,実際の登録被験者数とを比較し,リクルートメントの成否の予測を行う.(結果):全試験の実施率と,予測指標として目標症例数を算定候補者数で除した値を算出した.予測指標が一定値を超える試験のすべてが目標症例数を達成できなかった.つまり,これらの試験は,試験の開始前に目標症例数に到達できないことが予測可能であった.(結論):臨床試験の成功確率向上のために,試験開始前に電子カルテを利用し予測指標を計測することが重要である.