抄録
本研究では,ICU(Intensive Care Unit)で看護師が実践する静脈注射業務に関する,「指示出し」から「実施」までの業務を明らかにするためフロー図として可視化し,これを静脈注射に関する「指示出し」から「実施」までに発生したインシデント31件との関連性を分析した.これらのインシデントは,A病院のICUで1年間に記録された178件から抽出した.
その結果,「指示出し」から「指示受け」までには,看護師間での情報伝達があり,注射薬の「準備」から「実施」では,多岐にわたる注射薬の種類や,抽出とセッティングに多くの情報を必要とすることがフロー図上で明確になった.フロー図に関連させたインシデント解析では,「ラインの選択」に関するインシデントが最も多く,未然に防ぐためのダブルチェックなどが機能していないことが明らかになった.さらに,フロー図はインシデント事象と照合させることで,インシデントの発生状況が明確となりその解析に応用できることがわかった.