医療情報学
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錠剤自動分包機のコンベア作動データ集計システムの構築と有用性評価
室 高広江藤 和裕能勢 誠一樋口 則英中村 忠博北原 隆志佐々木 均
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2013 年 33 巻 6 号 p. 321-326

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抄録

 錠剤自動分包機は自動的に 1 回服用量ごとに錠剤を包装する機械である.しかし,機械内に装置されていない錠剤や 1 回量が半錠の錠剤が処方された場合には,コンベアと呼ばれるトレイを用いて薬剤師が手作業で錠剤を振り分ける必要がある.今回,錠剤自動分包機のコンベア作動データを利用した一包化薬剤集計システムを構築した.本システムはコンベア作業の削減を目的としている.このシステムの集計データから内装バラ錠を見直し,1 日当たりの調剤中断時間,処方箋当たりのコンベア利用率,内装バラ錠の補給率を見直し前と比較した.
 その結果,内装バラ錠見直し前後で,処方箋当たりの内装バラ錠の補給率が有意に減少した.他の 2 つの調査項目も対策後で減少していた.さらにコンベア作業時間は処方箋 1 枚当たり平均12.1秒減少していた.以上より本集計システムの調剤業務への利用は有用である.

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© 2013 一般社団法人 日本医療情報学会
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