医療情報学
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7対1入院基本料を維持するための看護師配置人数の管理
吉本 和樹野田 龍也北 恵里加柳瀬 匡平今村 知明
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2015 年 35 巻 3 号 p. 125-132

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抄録
 高度な医療体制を持つ医療機関の多くは,高い診療報酬が得られる7対1入院基本料(以下,7対1看護)を算定している.この入院基本料を満たすためにはいくつかの条件があるが,実際に勤務した月平均1日の看護師配置人数(以下,実績値)が,直近1年間の平均入院患者数から算出される月平均1日の看護師配置人数(以下,基準値)を下回らないことが最も重要な条件である.本研究は,実績値が基準値を下回らないための病棟看護師数の配置方法について分析と提言を行うことを目的とした.
 基準値の計算における「平均入院患者数」や実績値の計算における「看護師の延べ総労働時間数」に影響を及ぼす因子としては,祝日および病院の公休日の日数や,有給休暇が取得されやすい期間(年末年始など)などがピットフォールである.これらの因子を考慮することにより,病棟看護師の適正な配置方法を一定の精度で事前に推計する手法を開発した.
 入院患者数の増減や祝日・公休日数,看護師の有給休暇取得は月差が大きいため,7対1看護の施設基準を維持するためには,月ごとの特性に応じたきめ細かな事前対応が必要である.
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© 2015 一般社団法人 日本医療情報学会
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