抄録
受療者が最適な医療機関を選択する際にWebサイトは有益な情報元となっているが,そのコンテンツが,受療者の医療機関の決定に対して,十分な情報を提供しているかどうかについて評価されていない.本研究では,受療者の視点による医療機関Webサイトの現状を明らかにすることを目的として,Webサイトの充実度を医療機関の立地環境,病院規模について,市民が必要とする情報(更新頻度,放射線科の検査説明,クレーム・Q & A,医師紹介,診療実績)とこれらの情報が与えるWebサイトの印象について検討した.北海道の476病院,1,764診療所のWebサイトを対象として分析を行った結果,札幌,旭川と他の地域間について診療実績以外,病院規模分析は,放射線科の検査説明と更新頻度で有意差が見られた.また,医師紹介がWebサイトの印象に影響を及ぼすことが示唆された.