2017 年 37 巻 4 号 p. 155-168
糖尿病患者の自己管理への支援では,同病者同士の支援の有用性が認識され,患者会を中心に担われている.しかし,患者会の参加は時間や場所が制限されるため,皆が常に参加できるというわけではない.一方,ICTを利用して日常的に支援が行われつつあるが,医療従事者と患者の間での血糖コントロールなどがほとんどである.そこでわれわれは,患者同士による情報交換や思いの共有が可能なソーシャル・サポートシステムを開発し1年間運用した.その間の患者間のコミュニケーション状況や,システム利用前後におけるピア・サポート機能,糖尿病自己管理行動,糖尿病総合負担度の調査に基づき,本システムの効果について分析した.その結果,ピア・サポート機能は利用前に比べ利用1年後には有意に高く,情報交換や思いの共有等の面で,遠隔であっても同病者同士の支援が成立していた.