2017 年 37 巻 4 号 p. 179-185
われわれの施設では,2011年から紙文書をスキャン処理して電子署名とタイムスタンプを付与して紙文書を電子化し長期保管管理するシステムが稼働している.2015年にシステム更新を行ったが,長期署名フォーマットがPAdES(PDF Advanced Electronic Signature)からXAdES(XML Advanced Electronic Signature)に変更となった.更新時のデータ移行に際して,PDFによる長期保管の証跡性を新システムで担保する方法が問題となった.解決策として,ドキュメントタイムスタンプの検証情報のXAdES化に加え,PAdESについては,PAdES形式で作成された署名対象の本文,本文+署名+タイムスタンプの情報,さらに本文+署名+タイムスタンプの検証情報を含むPDF情報を署名対象データとして取り込んで,新たにXAdESを作成した.さらに,PAdESの検証アプリケーションを開発し,検証を新システム内で行うことで長期署名の継続性が担保された.医療情報の領域で長期署名フォーマットの変更の報告は初めてであると推察され,今後の参考になるものと結論された.