医療情報学
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原著-技術論文
歯科電子カルテにおける歯周治療の入力支援システムの開発
内山 敏一岡 大輔中山 博之有川 量祟田口 千恵子中島 光河野 哲朗中山 洋平大沢 聖子矢崎 貴啓齊藤 孝親
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2018 年 38 巻 4 号 p. 213-226

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抄録

 歯科電子カルテシステムには歯科特有の機能が必要である.特に歯周治療の算定は複雑で,歯周治療では1歯単位で「歯周組織検査―歯周治療―歯周組織検査」の流れ(タイムライン)に沿わねばならないのに対し,スケーリングに関してのみ1/3顎単位で全6ブロック実施後に次の歯周組織検査に移行する必要がある.この複雑な算定要件を満たすためには,1歯単位で検査所見を参照して診断した後の病名登録と,「歯周病の診断と治療に関する指針」に基づいた入力を可能とするシステムが必須である.そこで,当院は,HOPE/EGMAIN-GX(富士通)をカスタマイズした歯周治療入力支援システムを開発した.主な改善点は,「歯周チャートからの慢性歯周炎の度数(P1~P3)の登録機能」,「タイムラインを明確に把握できる歯周履歴一覧画面」および「歯周組織検査―歯周治療を1ラウンドとして自動的に判断する機能」を追加したことである.新システムは順調に運用されており,5段階質問用紙を用いた利用者の総合評価は「普通」であった.

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© 2018 一般社団法人 日本医療情報学会
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