2018 年 38 巻 4 号 p. 227-233
今後のがん診療において「個別化医療(プレシジョン・メディスン)」を推進していくためには,疾患の詳細な情報を構造化して保存し,人工知能等を用いて次回以降の診療に活かしていくことが必要であると考えられるが,がんに関する診療情報を統合的に保存・管理するデータベースの開発は喫緊の課題である.当院では,幅広いがん種に対する病理組織診断から手術・薬物療法(化学療法,免疫療法,分子標的療法等を含む)・放射線治療の実施情報を含む集学的がん診療に特化した「診療情報統合データベース」を独自開発した.各部門システムやDWHを含む計5システムとのデータ連携によって,実施済かつ確定済の情報を定期的かつ自動的に収集し,構造化して統合管理した.さらに,患者サマリや自由な組み合わせ条件でデータを横断的に検索する機能を開発・実装したことで,蓄積したデータを診療補助や臨床研究において利活用できる環境を整備した.