【背景】
敗血症に対するいくつかの研究がCRRTの浄化量を増加しても死亡率の減少に寄与しないことを示している.この研究の目的は,CRRTデータベースを開発し,敗血症の死亡率を分析することであった.
【方法】
本研究のCRRTの浄化量の定義は,標準群:800 mL/hr以下と大量群:801 mL/hr以上とした.主要評価項目は90日死亡率とした.p値<0.05は統計的に有意とした.
【結果】
2014年1月1日から2017年12月31日までにICUに入院した患者2,837人のうち31人(1.1%)が,CRRTを必要とする敗血症の適格基準を含んだ.カイ二乗検定では,標準群と大量群間で90日死亡率に有意差はなかった(59%対89%,p=0.24).
【結語】
この研究は,敗血症でCRRTを施行した集団群を対象にデータベースを開発することでCRRTの浄化量に対する患者の死亡率を分析した.結論は,CRRTの診療報酬の上限以上の浄化量を増加させても患者の死亡率の上昇を認めなかった.