医療情報学
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原著-研究論文
複数の用語集を利用した『機能性表示食品の機能性および安全性に関する一般消費者向け情報』に含まれる難解語の抽出手法の提案
種村 菜奈枝木村 正吾町井 湧介長 雄一郎柿崎 真沙子小野寺 理恵漆原 尚巳
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2019 年 39 巻 2 号 p. 45-60

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抄録

 ミス・コミュニケーションが生じる原因として,共通基盤の違いがある.この違いを平準化するため,難解語を特定し,平易化することが重要である.しかし,機能性表示食品の一般消費者向け情報に含まれる難解語を特定するための形態素解析用辞書はない.そこで,形態素解析用辞書の作成およびその精度評価を目的とした.医学または臨床試験用語を収録する10種類の用語集(取得用語数973,895語)を用い,203,095通りの辞書を作成した.その後,機能性表示食品の一般消費者向け情報1,310件からランダムに66件(4.65%)抽出し,作成した全辞書の精度評価を行った(データ取得日2018年7月).その結果,最も再現率が高い辞書(検出数:マニュアル529,MeCab 1,725,精度:適合率0.283,再現率0.924,F値0.434)で,F値は最大0.961となると推定された.今後,さらに実証研究の実施が望まれる.

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© 2019 一般社団法人 日本医療情報学会
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