医療情報学
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ビーコンとスマートデバイスを用いた患者と看護師の接触時間に関する研究
児玉 悠希
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2020 年 39 巻 4 号 p. 195-202

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抄録

 本研究では,ICTツールを活用し縦断的に病室内での患者と看護師の接触時間を調査した.対象者はA病院に入院する患者40名とした.「当日の接触時間」,「翌日の接触時間」,「接触時間の変化量」の3つの変数について分析を行い,それぞれの変数の特徴と関係性を明らかにすることを研究目的とした.分析は記述統計量を算出し,単変量の回帰分析によって変数間の関係性を分析した.結果として,「接触時間の変化量」の分布が正規分布を示し一般線形モデルにおける目的変数に適していることが示唆された.回帰分析では,「翌日の接触時間」を「当日の接触時間」によって予測する単変量のロジスティック回帰分析でオッズ比が1.05であった.また,「接触時間の変化量」を「当日の接触時間」によって予測する単回帰分析で説明率が30%であった.結果より,当日の接触時間が翌日の接触時間や接触時間の変化量を予測する上での重要な要素であることが示唆された.

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© 2020 一般社団法人 日本医療情報学会
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