2020 年 39 巻 6 号 p. 275-290
一般に手術説明書などの医療記録には,医師が疾患の部位・大きさ・状態などを図示するための身体部位図が含まれる.どの身体部位図が含まれるかは医療記録の管理や知識発見に役立つ重要な情報である.本研究では,身体部位図の種類を自動的に認識する手法の提案開発を目的とする.過去の研究では,改変加重方向指数ヒストグラム特徴量と修正2次識別関数分類器から成る手法を適用し,10種類の身体部位図認識で98.52[%]の認識率を示した.この認識率は比較的高いが向上の余地があり,また,従来手法は処理と設定が複雑,かつ,困難である問題があった.そこで我々は高い性能と簡易な処理と設定を目指し,勾配方向ヒストグラム特徴量とマハラノビス距離分類器から成る手法を提案する.10種類,および,30種類の身体部位図を認識する実験を行った結果,提案手法は大半の条件で100.00[%]の汎化認識率を達成し,従来手法よりも有効であることが示された.