医療情報学
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特集 厚生労働科学研究成果報告書 第3回
病理デジタル画像・人工知能技術を用いた,病理画像認識による術中迅速・ダブルチェック・希少がん等病理診断支援ツールの開発
佐々木 毅高澤 豊宮路 天平野村 直之宮越 徹
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2020 年 40 巻 1 号 p. 24-25

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抄録

1. 研究目的

 本研究は「病理デジタル画像データの深層学習・人工知能(以下, AI)による病理画像認識診断支援ツールの開発研究」である.日本の病理専門医は約2,400名,人口10万人当たり米国の3分の1以下である.さらに病理医勤務病院の約50%が1人病理医である.このような状況下で最終診断である病理診断のW-checkが行えない,または病理医不在のため患者が術中迅速病理診断を受けられないなどの問題が生じている.

 さらに希少がんでは診断の不一致などの問題が生じている.希少症例はがん研有明病院に症例数が多く,これらの症例を用いてAI活用による病理診断支援ツール開発を行う.なお,この分野でのAI支援ツールの成功事例はまだ少なく,また他施設が共通で使用できるプラットフォームの構築は世界的に見てもない.世界に先駆けてAPIによるAI病理診断支援システムのプラットフォーム構築を行うことが本研究の目的である.

 具体的には①「1人病理医のW-checkや術中迅速病理診断の支援となるAI病理診断支援ツールを開発」,②「希少がんなどの診断困難症例の支援となるAI病理診断支援ツールの開発」の研究開発を行った.

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© 2020 一般社団法人 日本医療情報学会
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