次世代DNAシーケンサーの普及に伴い臨床現場における患者のゲノム情報の活用が始まっている.一方,診断に資する情報の管理・参照や機微な情報の取り扱いなど検討すべき課題も顕在化してきている.われわれは,将来的な全ゲノム情報を用いた医療の実現を見据え,診断支援の上で重要になると思われる4つのシステム課題(①大規模なゲノムデータの管理,②病的変異の妥当性確認,③ゲノムデータの信頼性の確保,④個人情報保護への配慮)に関して,プロトタイピングによる概念実証を通じ,対策方法やその実現性,効果などを検証した.その結果,膨大なゲノムデータを管理するためのデータベースの実装方式,病的変異の妥当性を確認するためのユーザインターフェース,ゲノムデータの信頼性を確保するための情報管理の仕組み,個人情報に配慮したゲノムレポートの管理・参照方法に関し臨床現場での実装に向けた有効性を確認し,その一部を先進医療の運用に適用した.