2021 年 41 巻 2 号 p. 86-87
1. 研究目的
先進国では,がん罹患・死亡動向の正確な実態と予測が定期的にまとめられ,有効活用されているため,わが国でも,これまでに構築された精度管理方法とデータ分析手法の枠組みを活用し,がん登録データと既存データを併用したがんの実態把握方法の具体例を示し,データ活用を促進する必要がある.本研究班は,第3次対がん10か年総合戦略およびがん政策研究事業を引継ぎ,諸外国との共同研究を含むがん研究に基づいて,がん登録データに基づいたがん対策を推進できる唯一のグループであり,都道府県がん登録と院内がん登録との連携強化と,既存の大規模がん統計データとの併用および突合による詳細ながんの動向把握により,今後求められる,がん登録データ活用の正しい方向付けを目的とする.