2021 年 41 巻 2 号 p. 88-89
1. 研究目的
日本では,法制度上,生涯何らかの健診(健康診査・健康診断)を受けることができる.しかし,健診の実施者が自治体,事業主,組織の設置者,保険者など多岐にわたり,年齢,住所,職業などによって健診の実施者が変わるため,同一個人のデータが,実施者ごとに分断されて管理されることになっている.また,慢性疾患を罹患していたり,新たな疾患を発症していても,診療情報との連結はなされていないので,十分な分析はできない.近年,スマートフォンが普及し,国民の多くが,あらゆる情報にスマートフォンでアクセスするサービス形態に慣れ親しむようになった.個人が,健診データをスマートフォンでアクセスできるサービスは,広く受け入られる可能性が高く,自らの健康管理の意識を高め,予防行動,受療行動を効果的に誘導できる可能性がある.われわれは平成29年度,「健診結果等を個人を軸に集積し自らの健康管理に活用できるシステムの情報内容及びその情報基盤モデルに関する研究」を受託し,特定健診を中心とした健診データをPHRに移行する課題について調査研究を行った.本研究は,この調査研究結果を踏まえ,PHR実装化に向けた具体的な課題を明らかにすることを目的とした.