2021 年 41 巻 2 号 p. 94-95
1. 研究目的
近年の遺伝子解析技術や人工知能(AI)等の情報通信技術(ICT)の顕著なる躍進は,AIを活用し,遺伝子情報に基づいた医療の実践(以下,AIを活用したゲノム医療)を実現可能な領域まで押し上げている.その先進モデル事例として,研究代表者らにより東京大学医科学研究所で推進されているWatson for Genomics(WfG;IBM社)を用いた遺伝子変異に対応する治療薬の探索が挙げられる.AIを活用したゲノム医療はがん診療をはじめとする様々な医療の現場に革新的な変化をもたらすと考えられるが,現状ではその実装には種々の課題がある.特に,このような先進的医療を担う人材,特に医師の育成に関しては,教育基盤をどのように整備し,どの時期に教育を行うべきかという課題は,十分な議論がなされておらず可及的速やかに取り組むべき喫緊の課題といえる.そこで,本研究課題「AIを活用したゲノム医療推進に係る人材育成に関する萌芽的研究」では,AIを活用したゲノム医療を推進する専門家を育成するためのカリキュラムの開発と,その教育実施方法を確立するための方策を模索するための萌芽的研究を行うことを目的とする.