2024 年 44 巻 4 号 p. 199-204
HIS系システムへのマルウェア攻撃が顕著となっている状況を受け,HIS系ネットワークのセキュリティ状況調査を行ったところ,ほとんどのサーバ,クライアントのFirewallが無効になっていることが明らかとなった.そこで各ベンダーにサーバ・端末のFirewallを有効化する依頼を行ったが,即応できるベンダーはわずかであり,多くのベンダーはセキュリティ意識が現状に追いついていない状況が明らかになった.今回は稼働中のシステムに対してセキュリティ状況調査・強化を行うこととなったが,本来はシステム導入時に仕様として明確なセキュリティ対策項目を挙げるべきである.
日々変化していくリスクに対応するには,ベンダーと病院施設が協力してセキュリティ対策を行うことが必要である.そのためにはベンダー任せでは不十分であり,病院施設もセキュリティに関する十分な知識を持たなければならない.