2025 年 44 巻 6 号 p. 305-317
病棟師長が腐心するタスクの一つに勤務計画があり,公的制限(病棟要件,休暇日数等)と私的制限(スキル,希望の勤務形態および勤務日,相性等)を満たす必要がある.勤務計画立案システムは流通しているもののコストを伴う.また,師長の心配りと各職員のユニークな制約が追加されるため,勤務計画立案システムでは対応できない場合がある.そのような中,Googleが数理最適化問題を解くソルバーOR-Toolsを無償で提供し,勤務計画を解くサンプルコードが公開されている.当院ではそのサンプルコードを元に3病棟,栄養科,系列有床クリニックでの自動勤務計画実用化に成功した.サンプルコードは非常に難解かつ医療現場で運用するための制約を網羅できていない.本論文では,他の医療機関においてOR-Toolsによる自動勤務計画立案を実現することを目的とし,サンプルコードの解説と,実際に医療現場で運用するために追加が必要なコードを解説する.