抄録
灰長石巨晶の日本列島における産出例は数多く、それらは千島∼東日本火山帯と西日本火山帯に沿う第四紀火山岩類からの産出である。この度、北海道根室半島の白亜紀後期のアルカリ玄武岩類中に灰長石巨晶の産出が明らかになった。母岩の岩質並びに活動時期はこれまでの灰長石巨晶の母岩と異なる。巨晶の最大のものは2.5cm以上に達し、これまで記載されてきた灰長石巨晶と同様自然銅を含むほか、新しい事実も2,3知られた。枕状溶岩とその上位の柱状節理を示す岩体の双方から巨晶が認められた。上部岩からの灰長石は、規則型灰長石のPowder Data と良い一致を示し、化学組成は、An(%) 94-95.5の値が得られた。肉眼的には上部岩体の巨晶の方が大きく、長軸では最大2 cm以上、変質して真っ黒で樹脂光沢を示すものから内部では透明なものまで種々ある。下部岩の巨晶は粒径が最大1 cm前後、色は黄緑色を示す点で前者と異なる。